ルックバック
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ルックバック

藤本タツキ

胸が震えるとはこの事なのか

ネタバレ
2024年6月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ (ネタバレ無しをオススメします)
チェンソーマンも読んでないし、大人になってから少年漫画も全く読んでいない。
どこかでチラッとこの漫画が良いと見かけていつか買おうと思い続けていた。
読まないまま、劇場版アニメの公開を知り、予備知識なく公開日初日になんとなく行ってみた。
映画館はいっぱいだった。
上映は1時間、一切割引はなく1700円。
強気の映画だなと思った。
入口で数量限定の作者の限定ネーム小冊子を頂いた。
チェンソーマンという言葉は聞いた事があったが、作者さんの名前も知らなかった。

ああ、私はナメていた。
漫画作成に夢中な二人の熱情と希望がキラキラと大画面いっぱいに溢れ、田舎の美しい四季と輝く二人が眩しい。

小学生で学級新聞の4コマ漫画を描いて友達皆に褒められていた藤野が京本の絵を初めて見た時の衝撃の表情、それから一心不乱に絵を書きまくる背中、京本にファンと言われた後の藤野の雨の中でのヘタなスキップとそのまま泥だらけで漫画を描く背中、全てが無くしてしまった青春を想い起こす。

藤野と京本は確かに作者の中にあるのだ。


…………(以下ネタバレ注意!!)………………………
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しかし、状況は驚愕の暗転。
コレは京◯◯…………???
途中、パラレルワールドぽくなり京本目線で進むが、どの世界でも二人は確かにひとつなんです。
最初の一コマ目の文字と最後の文字がタイトルを示唆するとか。
全てのコマが計算されつくされて、春夏秋冬の窓の景色と漫画に向かう背中、お互いを推し合う背中、最後の「背中を見て」。
涙が止まりませんでした。
帰宅してすぐシーモアで購入、映画は漫画に忠実そのままでした。いや、それ以上のカラーの美しさ、原作へのリスペクトを感じました。
映画では日本の東北あたりの田圃と真っ白な雪の山脈が何度も出て、京本が拘った「背景(バック)」があまりにも美しく流石コレが映画と感嘆しました。
「背中を見て」「振り返って」「振り返らないで」(2024.6.29)
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