ごほうび
」のレビュー

ごほうび

今井ささる

「ごほうび」に胸が熱くなる

ネタバレ
2024年7月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「ドSなトオル君から愛の足蹴り」という、なんとも物騒なサブタイトル。
読み放題、ドS受けがテーマのアンソロジーで読んだ作品。
また読みたくなり単話を購入。

暴力を受ける浅沼は、わかりやすく身体中にアザができており、一見、トオルの暴力で繋がる共依存のように見える。
だが、以前は気が付かなかったのだが、トオルの背中や腹部にピップエレキバンのような跡(タバコの跡か?)があったり、過去の怪我から耳が切れていたり、毒親を思わせる描写や、性的マイノリティへの噂など、かなり悲惨な境遇でありそう。

ただ、暗い話で終わらない。
たまに想い合っているような描写もあり、ドキッとしてしまう。
そしてタイトルの「ごほうび」が本当に楽しそうで、2人だけの特別な時間なのだとわかる、とても前向きな終わり方をしている。

たった28ページだが、細かい描写から2人の背景を感じさせるし、暴力なのに読んでいてなんだが嬉しくなってしまう。
やはり好きな作品。
今井先生なので、エロは当然素晴らしい。
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