その世のどこか、蒼天のゆりかご【ペーパー付】【電子限定ペーパー付】
鯛野ニッケ
このレビューはネタバレを含みます▼
長く大事にとっておいた鯛野先生の3部作。積読にしたままこの壮大なファンタジーを発酵させておられる方がもし他にいらっしゃるなら、言いたい。
発酵させてもいいけど、順番通りに読むのがおすすめ(圧)
『地図』『常夜』『蒼天』。
もうね、この3作目が驚くほど良すぎて、前2作品の作品の体感的な厚みが1000倍くらいになるから!
物語の世界観が徐々に拓けて視界がクリアになっていく。
登場人物が年月を経て大人になり、苦しんだ年月の果てにどう彼らの楽園にたどり着くのか、順序で辿ると半端ない満足感と多幸感のまま彼岸に渡れます。
頭に物理で花が咲きそう!
王子と侍従、もしくは身分が下の男。このカップリングでこんなバリエーションってある?しかも発展途上の国での奇病がキーになる。
『愛』が『愛』として認められず、許されない。そんな世界でそれでも惹かれ合うし愛し合う。
巻末のペーパー、鯛野先生のあとがきも読み応えと笑い満載。
シリアスが長続きしない主人公シン同様、物語もシリアスなスタートが長続きしないので、安心して楽しんで!
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