屍と花嫁
」のレビュー

屍と花嫁

赤河左岸

退廃的な美しさ

2024年8月10日
ずっと気になっていつつもなかなか手が出なかった珠玉の一冊。タイトルや表紙の印象からして、頭空っぽにして読める作品ではないと直感したからです。
テーマは「死」なのかな。お話の初めから終わりまでずっと死の匂いがしました。絵柄もそれに相応しくエキゾチックで、不穏な世界観が徹底されていました。
舞台は中国?良家に生まれた腹違いの兄弟がいびつに互いを求め合う物語なのですが、「屍」という題材が題材だけに、2人の関係は未来に向かい発展していくわけではなく、どうしたって衰退する方向なんですよね。それを、ハッピーと見るかアンハッピーと見るか。作者様的にはハッピーエンドでまとめておられる感じがしますが、最終的には受け手の感性次第かなとおもいます。
キスや艶っぽいシーンも淡白だけれどあるにはある。それよりもサスペンス要素が強いかな。
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