シティ・ライツ・バースデイ【電子限定描き下ろし付き】
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シティ・ライツ・バースデイ【電子限定描き下ろし付き】

本郷地下

いろいろすごすぎて言葉にならない

ネタバレ
2024年9月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ そうだった、オメガバってアルファとオメガだけの世界じゃなくて、当たり前にベータもいるんだよね…と反省すらしてしまう、設定上除け者にされがちなベータも含めた真正オメガバースの世界でした。自分がアルファにもオメガにもなったことがないからよけい感情移入がしやすかったのか、途中からずっと涙をこらえて読んでいました。
しかしこの作者様は人生を何周して漫画を描いておられるのだろう…人の機微を描く天才というか…キャラクターの置かれた状況と感情があまりにマッチしていて、使われるセリフにも違和感がなくて…整っている。
漫画をおもしろくするためのサプライズ的に悲劇やハプニングを起こすのではなく、登場人物それぞれが思い、話し、決断した結果、波紋が広がるようにそうなったんだなと納得ができる。アルファにオメガ、そしてベータの感情、思考、行動様式に至るまで、彼らは本当に存在しているんじゃないかと夢を見るくらい物語に没頭することができました。
2024年に発表された新作「魚と水の森」を読み、すぐに作者様の虜になりましたが、こんなにたくさんの引き出しを持っておられるとはおもいませんでした。人に響く作品を創れるクリエイターは、例外なく闇表現や性描写がお上手です(わたし調べ)。ためらいがありません。ヒートだけでなく、愛ある素晴らしいまぐわいを惜しげもなくありがとうございました。
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