まぶたの裏の夏【電子限定特典付き】
」のレビュー

まぶたの裏の夏【電子限定特典付き】

金魚鉢でめ

夏の終わりの物哀しさ

2024年9月9日
評価は人それぞれだろうが、自分にはどちらもド真ん中に槍がぶっ刺さった、好み。
表題作の他に短編が1話で、どちらも再会をテーマにしている。

表題作は幼い頃の夏の島での初恋、大人になり再会する幸せなお話のはずなのだが…
生い立ちからか、一歩下がって遠慮しまくりのウミくんが何だか物哀しくて、真夏の話なのに日陰を歩いているような気になってしまう。

ストレート長め前髪の黒髪に褐色肌、もうそれだけで素敵だよウミくん、自信を持って自分を大切にしてくれ〜と切なくなってしまう。
貴文よ、ウミくんを幸せにしてやってくれ、と願わずにはいられない。


短編は一層切ない。
弘樹が同級生の静一に再会するお話。
ワンレン黒髪の美しい唇を持つ男、静一。
ホクロ好きなので普段はホクロを見るだけで嬉々としてしまうのだが、静一の背中に散らばったホクロには泣けてきた…
儚い美しさが際立っていて短いながら素晴らしかった。

どちらも夏の終わりの物哀しい時にピッタリ。
致しシーンは直接的ではないが、影のある色気が満ちあふれていてとてもいい。
先生の絵も好み。
いいねしたユーザ4人
レビューをシェアしよう!