君と宇宙を歩くために
」のレビュー

君と宇宙を歩くために

泥ノ田犬彦

みんなが違う宇宙を生きてる

2024年9月13日
タイトルを見た時は、宇宙飛行士を目指すような話かな?と思いました。表紙が学生さんだし、宇宙兄弟みたいな感じかな〜と。その時は、悪くないし寧ろ好きだけど、自分の人生とはどこかかけ離れた壮大な主人公の夢はなんだかな〜という気持ちがちょっとあって、そんな気持ちで読み始めたので、緻密で繊細な描写や人物の奥深い人生観みたいなものにすぐに引き込まれてしまいました。
多分、人生で生きてきて、自分や他人と本当に向き合うことや、それをきちんと見定めることって簡単じゃない。
そんなことをこの漫画は上手く、優しく描いてくれていて、人生の複雑さに悩みながら進んでいくキャラクターに惹かれ、漫画であるにも関わらず、生きているのが見えて泣きそうになり、そして応援したくなりました。
壮大なテーマではないけど、日常を生きることって十分壮大なことなんだろうなとふと感じられる、素晴らしい漫画です。
作者の方の心の深さが滲み出ていて、読んでいてとても心が温まります。
みんながそれぞれ、こんな風に生きられたら素敵だなと思いました。
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