このレビューはネタバレを含みます▼
身体から始まる恋愛も悪くないけれど、やっぱり心から始まる恋愛に勝るものはありません。恋愛なんて健常者同士でもままならないのに…いや、だからこそ精一杯お互いを知ろうと向き合えているのかもしれない。
投資家の五十鈴(29)と音大生の十嘉(19)。わたしの知っている29歳の肚の据わりかたではないし、19歳の感性ではないけれど…主人公2人ともが意識高い系なので、この漫画を通じて天才や秀才の苦悩を少し理解できたような気がします。
感性鋭い十嘉には、難聴ゆえ感覚の研ぎ澄まされた五十鈴じゃないとダメなんだな。絶対音感所持者と音を知らない難聴者。一見真逆でも、この2人だから人並み外れることによる苦労、伝わらないことによる諦めなんかを当たり前に共有できる。そしてお互いが特別になる。
「下品なXXXをしよう」という情報を書き込んでくださったレビュアーさんのおかげで、一気に3巻まで購入する羽目に。
感想としては全然下品ではありませんでした。性欲に任せて押し倒す獣的おせっせを期待していたのですがそんなわけもなく、心を占領している「好き」が溢れちゃっただけのような、慈しみ合うような素晴らしいおせっせでした。
とりあえず割引になっている1巻だけで終わろうと思っていたのに、無理でした。
いくら話せないとはいえ、まったく声を出さないなんてことは難しいでしょうから…次巻最終巻では五十鈴の喘ぎ声が聴けるとうれしいのですが。