このレビューはネタバレを含みます▼
オメガバ設定でバース性に伴う事件や特異体質が入ってくるとさすがに頭が混乱しますが……いろんな要素の織り込まれたこの作品は火サスばりに面白いです。
バース性をひた隠し、ある出来事をきっかけに幸村(α)のΩになると決意した円(β)は、心凍らせあらゆる小細工を駆使して10年もの長きにわたりその寵愛を受け続ける。
バレたら幸村のトラウマが再発してしまう、隣に居られなくなる…肉体的な労力より、自分が自分でない不安を抑え込みながら番を演じる10年間は想像以上に針のむしろだったのではないだろうか。
この嘘のおかげで求愛を素直に受け取れないわ襲われるわ事件に巻き込まれるわで散々な目に遭うものの、バレるくらいならレイPは想定内だというのだからその覚悟たるや凄まじい。
その代わり、幸村の不動の愛を手に入れることができたわけだが…いないからね、ここまでするヤツ…
そんな切ない胸の内とは別腹に、Ω全開(参考教材はAV)で幸村を誘うベッドシーンは壮観です。たまらなくはしたなくて胸が張り裂けそうなくらいに悲しい営みだった。
その後晴れてβとして挑んだ「はじめて」のエッチはサイレントにいやらしく、幸村はやっとΩではない円を、円は円として幸村を感じることができたんだなあと感無量。円がΩだろうとβだろうと幸村の熱視線になんら変わりはないけれど、愛し合い方の落差がなんともにくい。
タイトルは再誕生という意味でのリバースですが、reverse(逆行)でも通るような。嘘をつく前の2人に戻るという意味で。
嘘の重圧を担った施設の先生もおつかれさまだよ。
その点は同人誌に描かれているので、円と幸村のその後を追いたい方は是非(28p600円pixiv booth)。