このレビューはネタバレを含みます▼
街の純喫茶でバイトを始めた大学生の狛江くんは、先輩バイトの生田さんに誘われるまま身体の関係を続けています。慣れた風な生田さんとは異なり、割り切れず二人の関係についてぐるぐると考える狛江くん。この悩める狛江くんが味わい深い。難しい顔をしながら己の感情に向き合い、冷静に分析しつつ生田さんとも向き合おうとします。それなのに抑えきれない自分を目の当たりにして、また考える。一方の生田さんは奔放な面があり、元職場のミナトとも関係を続けていることがセリフ等から伺えます。飄々としつつも拗れた感情を持っていて、なんでもないことの様に語られる過去の背景はなるほどと腑に落ちることばかり。生田さんの疎外感には共感するし、悩める狛江くんにも感情移入してしまう。先生の作品の、地に足のついた実際にありそうな感じがとても好きです。狛江くんは社会人になっても面白そう。生田さんの素敵な笑顔の場面がありますが、狛江くんの笑顔も見てみたいです。特別描き下ろしは頑張る可愛い狛江くん。本編のその後が見られるので、高くてもやっぱりこちらを選んでしまいます。