このレビューはネタバレを含みます▼
多種多様な七つの短編。白い傷跡は愛しいスイッチ。高校生の若さと勢いが良かった。赤いヒモは御伽話と孤独な青年。終わり方も御伽話風。黄色の信号は正しくないことから得る救いとブレーキ。それを選択してしまう時の気持ちがなんだか分かる。この二人のお話はとても好き。繁殖力の緑は闇と執着。辛くてひたすら怖い。青は悲しみ。ロボットと人間の愛と絆に泣く。紫は夕暮。心細さと紫煙が漂う切ない時間。灰色は恋のもやもや。溢れて輝く、黄色の二人の結末。眩しくて私も直視できない!描き下ろしは青の救い、なのかな。大切なものをなくしても心にあるからなくならない。ナルにとってもそうであって欲しい。違う場所にあっても同じ強さで光る金銀砂子。一冊で色々な気持ちを味わえました。