夜明けがいちばん暗い
」のレビュー

夜明けがいちばん暗い

山田ノノノ

星5以上

2024年12月4日
ホストのタカヤと小説家のサイトーさん。
部屋が隣同士から、タカヤがサイトーさんを好きになるところから話は進んでいきます。
タカヤは売れないホストで、ちょっとアホだけど明るくて元気で前向きな子です。
このアホさとチョロかわいさのサジ加減が絶妙で、嫌味にならずとても好感が持てました。
そしてサイトーさん。冷たい雰囲気醸し出すけど、基本は優しい人なんだとわかるし、過去の悲しい出来事に支配されているけど陰気臭さや悲劇のヒロインを感じさせずに、非常にカッコいい魅力ある人でした。
サイトーさんの過去が思った以上に重かったのですが、悲しみは時が解決してくれる部分があり、新しい出会いのタイミングで乗り超えられる時があると思える描き方でした。
新しい出会いとはタカヤなんですが、タカヤにも人間関係があり影響を与えている人がいて、そしてサイトーさんも決して一人ぼっちだったわけでもなく、人と人とは繋がっていてそれぞれに良くも悪くも影響を与え合いつつ人生を歩んでいるんだと思える作品でした。
すごく深みのある作品なのですが、BLとしての要素もハンパなくよくて、メガネを外したサイトーさんの破壊力は悶えました。
気持ち通じ合った後のエピソードもちゃんとあり、キュンとしつつもほんわかとさせてくれたし、サイトーさんがとても幸せそうだったので、とても温かい気持ちで読み終われました。
山田ノノノ先生の作品は格別です。
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