捨てる紙、拾う春【単行本版】
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捨てる紙、拾う春【単行本版】

三河尻あび/.Poika編集部

幸福ってなんだ

ネタバレ
2024年12月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ すっっっっっごいよかった…よかった…本当に良かった!!!
物凄い年の差、なんなら親子くらいの差なんだけども、枯れ木に水を与えて大好きだよ、大っきくなるんだよ、大丈夫だからねまた元の姿に戻れるよって声をかけて手間暇かけてお世話したらドングリたくさん実る木になったっていうお話大好きな人はたまらんでよ……

主演女優賞に輝く俳優を元妻に持つ脚本家の南雲さんと、深夜ドラマを切っ掛けに料理にハマった元野球少年の高校生の春来(はるき)が恋人同士になるまでをゆっくりと描くこのお話、どっちが攻めなのか受けなのか解んない、つまりエッチなし(多分…春来受け…?)。
元妻と離婚し、時が止まってしまいセルフ・ネグレクトぎみな南雲ですが、ちゃんと高校生に手を出さない…というかそもそも高校生と…?ってやんわり突き放したりするので、安心して見える(いや問題は1つクリアすると1つ出てくるんだけども)ので安心してください。


元妻とは高校の同級生で、演劇部の元妻が南雲さんに「台本書いて」と依頼したことが切っ掛けで知り合い、付き合い、そして結婚するも片や売れっ子女優、片や無名の脚本家で、心無い外野からの圧に南雲さんが一杯一杯になってしまって離婚。
いくら同級生と云えど、売れっ子女優と結婚するって相当なプレッシャーと覚悟が必要ですよね…だからこそ、真面目でどこか抜けている南雲さんが離婚して闇堕ちしながらも脚本家として必死に生きているのが…本当に、幸せになって良いんだよ…ってなります。
春来が決して精神年齢が上か?と言われると、そうではなくて、ちゃんと年相応。
だからこそ、春来が高校を卒業して……いや、精神年齢…高いか……
若いからこそ…という場面もあるけど、でも、南雲さんを正したり、叱ったり…実に包容力がある男だよ春来…
年の差とかより、多幸感がハンパない。
確かに年の差すぎ、と拒否する人は居るだろうが、見てから判断してくれ。
2人が幸せになっていく物語を是非、見届けて欲しい。
ここまで来たら喪主する春来まで見たいし、なんなら枕元に迎えに来た南雲さんすら見たいよ…
この2人は確かにBLなんだけどセッはサラッと見たら満足しちゃいそう(いやネッチョリも欲しいよ!)だから、もっと2人が笑ったり怒ったり呆れたり心配する日常をください…日常系BLに弱いんだ俺…

紙特典(初セッ…漫画!)も買います…続編を…ください……
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