双子の王子に双子で婚約したけど「じゃない方」だから闇魔法を極める
福澤ゆき/京一
このレビューはネタバレを含みます▼
作者さんの「フェイク・ハッピーエンド」という作品がとても好きで(書籍化の方は未読)本作も不憫受け作品でとても人気があったので、悩みに悩んで購入。上下巻合わせて定価2600ptなので、納得いくまでレビューもじっくり読んで結末も知った上で読みました。
かなりのボリュームで読み応えたっぷり、文章もすっきり読みやすく、主人公シュリの不幸っぷりも壮絶でした。
結末が3人エンドというのは描きようによっては良かったりもするのですが、うーーーん…ギルベルトで良くない?ジーク救済いる?(笑)他レビューでも多くの方が書いておられますが、死にそうにボロボロなシュリを救ったのはコンラートとギルベルトとミショー。特に後半ではギルベルトが、ここぞという時にシュリに必要な言葉掛けをしており、ギルベルト株がぐんぐん上がりました。コンラートの秘めた本気の愛情も切なくて、コンラートエンドでもええんやで…。とにかく私的にはジークさんは退場でいいですよ、という気持ちなんですが、闇落ち執着攻めが好きならジークもありなんかな。
結末の3人で結婚という選択、ファンタジーとはいえそんなこと可能なのか?国民納得するかな?世継ぎはどうするんだどっちの種でも構わんというノリなのか?
そして謎に大人シーンの描写なしでしたが、3人エンドなら「初夜はどっちに権利があるか」とか揉めて欲しいし気持ち的にはギルベルトに捧げて欲しいしwebでは幻のジークとのシーンは途中にあったとかで作者はジーク贔屓なのか?しょんぼり。
ちなみに星3にしてるのは結末のせいではなくて、シュリの不幸の最たる理由「黒猫は不吉」という事象がしっくりこずモヤモヤしてしまったからで、一国の王子がこんなに差別されるという世界が、なんか理解し難いなぁと。なんの根拠もない迷信で、生まれてからずっと国中から嫌われ続けるもの?他国の王子が一目惚れするくらいの容姿なのに?
そして、常に傍らにいる双子の片割れリュカが、あまりにも人の心が無い。シュリ大好きと言いながらシュリの惨めな境遇に声ひとつ上げない不可解なキャラでした。シュリを取り巻く不幸装置のあちこちが気になってしまい…低評価ごめんなさい。
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