ブサ猫に変えられた気弱令嬢ですが、最恐の軍人公爵に拾われて気絶寸前です(コミック)
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ブサ猫に変えられた気弱令嬢ですが、最恐の軍人公爵に拾われて気絶寸前です(コミック)

オオトリ/岡達英茉/日下コウ

悪役の妹に考えさせられました

ネタバレ
2025年1月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ 妹に婚約者を奪われた子爵令嬢のマリーと、冷血無慈悲と噂される公爵のお話。

まずこの作品、ちょいポチャの表現が素晴らしいです。
おデブを描くのは簡単ですが、意外とちょいポチャをマンガで表現するのは難しいと思います。
単独で見るとそれほど太って見えないけれど、他人と比較すると太って見える。
これ、現実では一番リアルなおデブだと思うんです。

婚約者を奪った妹が姉を罵るシーン。
普通は妹最低ってなるのでしょうが、私は一理あると思ってしまいました。
何でもかんでも後ろ向きなヒロインは見ていてイライラします。
その後の妹の行動は酷いですが、主張はある程度正当と感じました。

妹のせいでこの作品のメイン(?)のブサ猫になったマリー。
実際人間が猫になったら、残飯漁れないし、ネズミ捕って食べるなんて無理中の無理。
しかもブサ猫だから誰も構ってくれません…。
この作画家さん本当に絵がお上手。ブサ猫がまごうことなくブサイクwww
なのに公爵さまにはとてつもなく可愛く見える模様。

2巻で物語は急展開。
公爵さまの気持ちが聞けて良かったです!
島の提督になりたくないからではなく、最初からマリーに惹かれてたの推せます。
容姿で判断せずマリーの本質を好ましく思っていた公爵さまと元婚約者の王子との対比が印象的でした。

3巻ではハラハラドキドキ展開などありつつ、大団円のラスト。
WEB小説原作作品でこれだけ簡潔に纏められているのが本当に良かったです。
まだ続きが見たいなぁ…という余韻で終わらせるのが素晴らしすぎます。
物語は完結してナンボですので、その点はかなり評価できました(終わらないWEB小説が多すぎる)。

原作(WEB版)では妹にカップを贈るシーンは無かったと思いますが、付け加えられたことで妹も今までの人生の振り返りができて良かったんじゃないかな。
だいたいこの手の悪役は救いようのないクズが多いですが、彼女は違うと私は感じました。
彼女の幸せに対する貪欲さは悪いことではなかったはず。
ただ幸せになる方法が悪かった。
今後牢から出るのは厳しそうですが、これからの人生をただ徒に過ごすのではなく、彼女にとって有意義なものになることを願っています。
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