悪夢令嬢は一家滅亡の夢を見た ~私の目的は生き延びることです~
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悪夢令嬢は一家滅亡の夢を見た ~私の目的は生き延びることです~

近衛悠/大菊小菊/泉乃せん

なろう系原作の良作。性悪恋人へ厳罰を!

ネタバレ
2025年1月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ なろう系原作を読了。巷に溢れている婚約破棄物語とは一線を画する内容です。私は一気読みしてしばらく放心状態、数日後に再読しました。物語設定が堅牢で後付け設定もありません。それで何故、星3つ(標準)評価なの?と問われると、理由は作画です。イメージに合わなくて星1つ減点です。特に、ヒロイン弟は超美形設定ですが、それがどうもピンときません。(原作の評価は星4つですが、)原作に星5つ(満点)の評価をしなかった理由は2つあります。まず、ヒロインを嵌めた人たちへの断罪が未消化に終わったことです。ヒロインを窮地に陥れた王子に処分無し!王子の悪賢い恋人にも明確な断罪はなされてません。罪なき幼い命が無慈悲に奪われたのにこの理不尽な結末!この物語の世界観は現実的で、勧善懲悪にならないのはわかります。集団による犯罪は裁き難く、加担する人が多ければ多いほど、罪悪感は薄くなります。物語設定がしっかりしているが故の結末です。わかりますよ。私にもそのぐらいは、、、でも読後に爽快感は残りません。特に、王子の悪賢い恋人を物語世界を壊さないで断罪することは可能だと思います。次にヒロインはラストで幸福になるきざしはありますが、よりによって元婚約者の王子が復縁を願ってきます!エッ何コレ!読者としてはモヤモヤしかありません。以上二点はなろう系の感想欄でも多くの読者から指摘されていました。(この作品がまだ書籍化されていないのは、原作者がこの二点を改稿中のためではないか?と、私は期待してます)この作品が多くの人から愛読されている故の意見だと思います。ほんの少しの邪な気持ちでも多くの人の無自覚な敵意と結びつくと、おぞましい威力を発揮する様が描写され気持ちが滅入る箇所もあります。過去に家族や人間関係で苦しんだ方には辛い作品かもしれません。それでもヒロインの姉弟が支え合いながら生き抜こうとする姿勢には目頭が熱くなりました。良作であることは間違いありません。なろう系原作はコミカライズによってパワーアップすることがあります。作画担当の先生には、今後の改編でこの作品の2つの足枷をはずし、良作を名作に進化させていただけることを切望しています。
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