このレビューはネタバレを含みます▼
同じ部署にキャリア採用で入社してきた向居と、千裕のお話。
作者買いです。今回も楽しく読ませていただきました!
千裕の絶妙な性格の悪さがストーリーを先に進めるのを結構遮ってきます。
本人が自覚している程度でこのくらいの性格の悪さは、おそらく誰にでもあると思います。誰にでもあるがゆえに第三者視点で読むと心が痛くなります(自分へのブーメラン的な…)
が、仕事上のトラブル(決して千裕のせいではありませんでしたが、確認を怠っていたという負い目あり)から、向居が退職する事態になってから状況が一変。
千裕が向居に指摘された自分の性格。
自分でもダメだと反省していたところに、畳みかけるように他人からの、しかも明らかに自分よりデキる人間からの指摘。
これ、普通はめちゃくちゃ凹むし、逃げ出したくなる場面なのに、千裕はちゃんと自分と向き合い、向居とも向き合う努力をします。偉い! 偉すぎるよ…。
ここがこの作品で一番良かったです。
再会後、千裕が向居への気持ちを自覚するシーン。
千裕のまっすぐな気持ちがとても切なくて涙が…。
展示会場で感極まって千裕から告白するの最高でした。
両想いになれて本当に良かった…。
良いBL読んだ―って充実感に満たされました。
後半は向居視点の続編。
向居が千裕のことを好き過ぎて、必要以上に憶病になっているのが意外でした。
千裕視点では常に自信に満ちている感じだったので、意外性に驚きつつ、千裕のことが本当に好きなんだなぁ、とほっこりしました。
大満足で読了しましたが、唯一の心残りと言えば向居のビジネスパートナー伊崎さん。
彼も幸せになって欲しいと切実に感じました…。切なすぎる。