世界でいちばん遠い恋
」のレビュー

世界でいちばん遠い恋

麻生ミツ晃

漫画という媒体で表現される素晴らしい世界

ネタバレ
2025年2月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 麻生先生の本は、何冊か読ませていただきましたが、本当に心を打ちます。漫画という媒体を通して、考え方、生き方、何に人が心波打つか等、様々な奥深くて優しくてキラキラした世界を伝えてくれて、感動します。独自の音楽を奏でる十嘉の真っ直ぐな心や言葉が、難聴の五十鈴の人に頼れない綺麗過ぎる心に浸透して、安心出来る場所になっていく優しい二人の恋の歩みが、沁みてきます。五十鈴の誰にも言えなくて伝えるのが困難だった、一番熱い真ん中の気持ちが、十嘉とは分かり合える、それが寂しかった心の穴を埋めていく。十嘉もまた、情熱を持ちながらも長く一人迷って苦しんできた音楽が、五十鈴と触れ合う事で、気付かなかった世界に気付き、誠実に寄り添い伝え合うこと、自分を表現する事を学んで輝いていく。お互いに足りない穴を埋め合えて温かいもので満たされていくのを見てると、すごく幸せな気持ちになります。麻生先生の、作品中に散りばめられた素敵な言葉がとても響いてきます。絵も良くて、人の心を打つ情感溢れた素敵な作品。次巻もすごく楽しみです。
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