砕いて混ぜてやさしく食べて
」のレビュー

砕いて混ぜてやさしく食べて

門沢実和

分かち合いたい

ネタバレ
2025年2月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ この作品は詩季(パティシエで受け)が生まれて恒星(大学生兼モデルで攻め)に出会うまでずっと老若男女問わず第三者から無差別に傷つけられ、殻に閉じこもって欠けてしまったが故に、詩季が恒星と無事に心の奥底から繋がれるかを見守るお話になります。

詩季は「人間ホイホイ」とあだ名が付けられる程に、他人に妙に好かれてしまう体質があり、その体質故に幼少期から頻繁に誘拐されかけたり、何度もストーカーにあったり。その体質が原因で両親が離婚したり、一方的に悪く言われたり。
詩季にとって大切な人ほど詩季を責めない。
だけれどそれ以外の周りは詩季を欲しがったり、羨ましがったり。
心の傷が乾く間もなく傷が出来ていく中で、詩季はパフェ作りに傾倒していった訳ですが…
この作品、兎に角、攻めの恒星が我慢の連続なんですよね…無論、全て完璧に我慢ではなくて、体質由来の気持ちや行動原理を受け入れて耐える…というか。
巻を重ねている分だけ、読者も恒星といっしょに詩季が少しずつ、少しずつ殻を破るまでを見守ります。
人の心は簡単には変われないんですよ…ましてや無自覚でもトラウマ抱えてる以上は。
あと悪役である四宮が嫌な部分を引き受けてくれるので、より詩季と恒星を応援したくなるのもポイントです。

作中、パフェたくさん出てくるので甘いもの食べたくなるし、詩季と恒星の歩み寄りは辛いことばかり…でも、2巻終わりの時は希望が持てたので、続き気になりすぎて単話買った!
幸せになってくれ詩季と恒星…
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