不朽のフェーネチカ
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不朽のフェーネチカ

竹良実

これが短編だなんて信じられない!

2025年2月11日
聖人認定が間違いないと言われている修道女、彼女の経歴を疑う青年記者が正体を暴こうと、過去を辿るお話。
85ページとは思えない程、濃厚で奥の深い短編です。マザー・ドロテアが聖人なのか詐欺師なのか、そんな疑念から辿った彼女の人生から彼女の様々な顔や壮絶な生き様が見えてきて、真実の奥深さに本当に驚きました。そして、この小さなお話が、まさか歴史的大事故に繋がっているなんて想像すら出来ませんでした。作者様の漫画家としての才能に本当に心から感服しました。
マザー・ドロテアの強さには一人の女性としての愛があり、優しさには修道女としての人間性が表されていました。最後は、彼女の長い人生が人間としての選択をさせ、教会には認められなかったものの、人々の心に強く残る聖人になった。とても素晴らしいお話だと思います。短編で、手に取りやすい作品なので、もっと多くの人に読んでもらいたいです。
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