ソムニア
」のレビュー

ソムニア

冥花すゐ

「夢」と「現実」の対比が見たかった

ネタバレ
2025年3月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ 189ページ。
帯に「メリーバッドエンド」って明記されてて、「公式がそれ書いちゃってええんかいw」ってツッコミつつ買いました。だって近年のBL界隈でメリバは貴重。
自分には設定がふわっとし過ぎで、ストーリーとしては星2つ……ですが、主人公の望みに応えるために先生が口にする冷淡な言葉が痛々しくて先生かわいそうでたいへん良かったので、総合星3つです。
以下覚書。
〜〜〜〜〜
気になっていた作家さんの初読み。別作品を読むのを迷うくらい、理屈屋にとっては設定がふわふわでした。作中で「夢」が多用されているように、作品自体が夢マボロシであるかのごとくの描き方であればそれはそれで不気味で良いと思うのですが、悪夢や白昼夢と呼べるほどの歪さや精神性は感じ取れませんでした。個人的には、主人公サイドの「夢」感と、先生サイドの「現実」感の対比や齟齬が見たかったな、と思います。
がっちり設定大好き民としては、とにかく「現実」側の設定が足りない。主人公の病気がどんなものなのかととか先生がしている裏稼業は何なのかとか主人公以外の診療所の患者はどうなってるのかとか。……特に診療所にいる人達の顔が描かれていないところに、主人公の病気に伴う記憶の阻害なんかが絡むのかな〜ってドキドキしつつ読んでたもので、おそらくただモブだから顔が描かれていないんだなって思うとしょんぼりでした。深読みし過ぎな自覚はあります。
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