クジャクのダンス、誰が見た?
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クジャクのダンス、誰が見た?

浅見理都

完結まで楽しめた!

ネタバレ
2025年3月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 購読中、6巻配信後にドラマ化を知りました。
2025年冬、広瀬すずちゃん主演でのドラマも楽しんで視聴しています。けれどドラマオリジナルで改変された作品になってしまうのではないかと心配で…。
最終巻である7巻がドラマの最終回よりも先に出たので、作者先生の作られた物語の結末を知ることができて良かったです。

物語は現在のある事件から始まります。
殺害された元警察官の父は、娘である心麦に手紙を残しており、それがきっかけでこの事件が20年前の別の事件と因果があることが分かってくる。
どちらも犯人は早々に捕まっており、一般的に私たちが目にする表向きには収束している。
日本では有罪率が非常に高いと聞きます。それだけに一度有罪となったらそれが覆ることはほぼないに等しいのだと。証拠が乏しく、威圧的な警察、検察に責め立てられ無実なのに罪を認めてしまったら…。
主に冤罪を扱っていく物語なのかと思っていたなか、じゃあいずれの事件も真犯人は…?とずっと謎のままに進みます。
だから最終巻の7巻では本当に驚愕しました。
思ってもみなかった人物が最前面に出てきて、駆け足ではあるけれどキャラクターたちの行動原理が違和感なく、収まるところに収まった、という印象です。面白かった。
キャラクターがとても良いですね。主人公の心麦、松風先生、波佐見。シリアスな事件と緊張感の中でも笑いをもたらしてくれる存在でホッとしました。コウくんという猫ちゃんも、ワンシーンですがとてもカワイくて癒されました。

ミステリー作品がドラマ化されると、重要人物(特に犯人やキーとなる人物)に有名な俳優さんが配されることが多く、配役の時点でネタバレ気味なんです。そういう意味ではこの度のドラマ化は成功していると言いたい。原作と同じく実はこの人なんじゃないの?というミスリードも上手く、真犯人もちょうど良い塩梅でした。
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