美しい彼
」のレビュー

美しい彼

凪良ゆう/葛西リカコ

4巻の感想

ネタバレ
2025年3月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 長編3作、短編集1作の後の待望の長編4作目。
新刊で購入した割に読むのが遅かったのは、期待値が高すぎて読むのが怖くなるという謎現象に襲われていたからですw

ただ、読み終わって一言。
ただでさえ上がりまくった期待値以上、いや、それさえも大幅に上回る作品でした。

前回は清居が役者として一段上に行くための試練の回でしたが、今回は平良。
平良と清居の才能の在り方を見ていると、毎回「ガ○スの仮面」の○ヤと○弓さんを思い浮かべてしまいます。
美しく輝き誰からも羨望のまなざしで見られる立場であるにもかかわらず、常に陰では気合で地道な努力を続ける清居=亜○さん。
一方で地味で目立たないと自らも周囲からも思われていたが、実は煌めく天性の才能の持ち主平良=マ○。
どちらも得難い才能で、どちらも相手の才能に憧れつつも恐れている(あ、平良は清居の才能を崇拝しているのか)

そんな2人の才能の磨き合いの様子が見られたのではないでしょうか。
今回、いつもはじっと黙って見守るのが苦手な清居が、平良自身のことだからとむやみやたらと口を出さないところが本当に良かったです。お互いを尊重し合っている感じが素晴らしい。
こんな出来た恋人いないよ…本当に。
周囲の人が揶揄って言ったりしていますが、清居の姿勢に一瞬昭和の芸人の妻の姿を重ね合わせてしまいました。
ただ、清居は令和の人なので、最終的にはしっかり発破かけたりもできてしまうのです。最高の恋人やん!!

紆余曲折ありつつ、最初の試練を乗り切った2人。
ただ、今回読んでいてこの2人はもうBLではないな、とも感じました。
BLという言葉では括り切れない、もっとでっかい絆で結ばれている2人だな、と。
とくに今回は恋人というより盟友という方がしっくりくる感じがしました。
キスシーンはあったけれど、エチシーンとかも無かったしね。
いや、もう逆に致してるシーンとかある方が違和感があるのかもしれませんw

それでもまだまだ彼らの行く末を見守りたい!!
凪良先生…続き…続きを…、いつまでも待ち続けるのでどうぞよろしくお願いします。

あ、脇キャラも抜かりなく良かったです!
もう脇と言っていいのか不明なくらい大きな存在の野口。
彼の短編があって嬉しかったー。
そして平良のお母さん。登場シーンは一瞬でしたが、平良のあしらい方が年の功という感じでさすがでした(笑)
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