銀のくつ
」のレビュー

銀のくつ

四宮しの

愛…愛が…

ネタバレ
2025年4月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ ああもう、すごく大好きです。愛にあふれた優しい世界。憧れてしまう。

六歳のジュンくんのおうちにいるのは、やさしいお父さんと鳥の着ぐるみを着ているお母さん。中身は若い男性だけど、ジュンくんにはまだナイショ…。

花が咲く庭と、つる薔薇のアーチが素敵な一軒家。子どもたちを見守る大人たちと、そのエピソードひとつひとつに感動します。登場人物が繋がっていたり、悲しい思い出があったり(だからこそ、胸が痛むほどの優しさと寂しさがある)、少し不思議なお話もあったりして、とても四宮先生らしいお話たちです。細かい説明はなくても、読んで、感じて、考えることで、魅力を味わえる作品。

銀の靴を履いて帰りたい場所は、愛する人たちの居るところ。何も思いつかなかった少年が、大切にして大切にされている、温かい場所。いつか打ち明ける時が来ても、きっと壊れたりはしない。ドロシーはバカだと言ったお姉さんは、何を追いかけているのかな。強くないと、生きていけなかったのかな。とても素敵な作品でした。
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