ノーカラーベイビー
」のレビュー

ノーカラーベイビー

奥田枠

愛されると人は強くなる。名作でした。

ネタバレ
2025年5月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 眞白の繊細で優しく弱いようでいて芯のあるところが好きです。
家族や弟に幸せを阻まれて、身体だけでも繋がってる安心感を得るために洋一のようなクソやろーと寝る日々。
たとえ大事にしてもらえなくても、好きだし繋がっていたかったんだよね、と思うと泣けてしまう。

そして眞白より弟の闇が深いなと感じました。
弟の眞白に対する執着は兄への恋愛感情的なものなのか、支配欲求的なものなのか・・・
どちらだったんだろう?どちらともとれる描写でした。
いずれにしろ2人とも親の歪んだ愛情の犠牲になったように思えて、親の罪は重いなと思います。

界隈ではビッ〇だと言われている眞白は、ほんとは誰よりも優しくて誰よりも愛情を欲していました。大地が眞白を救い上げてくれて本当に良かった。
「あなたが誰を好きでももう奪うつもりだったから」
誰の犠牲になることもなく愛される未来が約束されたような言葉。
まともに愛されたことがない眞白にとってどれほど重い言葉だっただろう。

繊細で透明な眞白に「眞白」と名付けたことだけは唯一両親のファインプレーだったかも。
ラストの眞白の笑顔は透明で本当に綺麗。とても良い作品に出会えました。
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