嘘つきたちの朝食
」のレビュー

嘘つきたちの朝食

コメダヨシヒサ

表紙が素敵で何度も見てしまいます。

ネタバレ
2025年5月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「魂の番に出逢ったら」が良かったので、読んでみた作品。

ネタバレしてます。

何周か読みましたがやっぱり誰かにどう思う?と聞きたくなってしまった最終話。純文学的なのか…と思うように読んでも、それを消し去るくらい女性の心理の生々しさもあって、ウッとなりました。

なのに先輩が綺麗なのですよね。初めて好きになった人に抱いてもらったのかい?と聞きたくなる様な艶感があって。やめなされやめなされ…と何度も思って先輩を見ていましたが、嬉しそうで、うきうき楽しそうなのが可愛くて可哀想でしたね。

後輩くんは気付かなかったのか、先輩の不倫の後始末の仕方はあっぱれで、それだけ後輩くんを愛していたんだろうなと。それなのに、身の危険を感じてから先輩に言った好き。そういう状況にならないと言えない言葉だったんかい?と思いましたが。あんな奴。(ぐにゃぐにゃした芯のない人…🥺)悪口になってしまったけど、先輩が好きな人だからしょうがない。され妻という枠に収まり、自身のトラウマを先輩にぶつけて許さないと言う後輩くんの奥様にはウッとなりました。(あなたも同じ事をしたんじゃ、と)

何周しても最後はやっぱり学生の頃の後輩くんを振った元カノが1番エラい!と思ってしまいます。旅行なんて行く前に縁を切るさという女性。言葉も少なくスパッと。だけど切られた側のその後は、先輩の幸せな一時の時間にだからなれたのかなと思うと、表紙の先輩をまた見てしまいます。生気ないなぁと。

先輩が最後に座っていた座席の位置は、何か意味があるのかないのか。そこに後輩くんはやってくるのか、それとも新たな出会いの始まりなのか終わりなのか。んーどっちだろうと。物語の空気感が好きな作者です。
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