タイトル未定のプロローグ
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タイトル未定のプロローグ

夜更宵

未来のある素敵な結末

ネタバレ
2025年5月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 陽キャなグループにいる七海と大人びたクラスメイト叶。叶が小説を書いているノートを拾ったことから関わるようになった二人だけど、普通なら会話することもなかった相手に距離を測りかねてお互いがお互いを「逃げ水」のようだと感じているのが現実感のない様子がよく表現されていると思いました。期限付きの恋と別れ。もっと他の方法もあったように思うけど、小説家の繊細な感性には中途半端なボーナスタイムでは満たされなかったのかな。
所々に差し込まれるモノローグが小説のようだと思ったけど後に理由が判明。現実と叶の小説との境が曖昧だったけど、これからは小説の結末にはなかったその先を二人で作っていけると思います。
結局、叶が「ずっと探している愛」とはなんだったのか。両親のように離れたりせず、ずっと変わることなく自分を満たしてくれる愛ということかな。家庭環境から来る孤独感や思春期の空虚感で、どこかに自分を満たしてくれる“完全な”愛があるって思ってたのかな。七海とのことが叶が探していた愛かはわからないけど、これからはオリジナルで作っていくストーリーだから自分たち次第 というのも素敵な結末でした。
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