恋のにおい、かわいくてもっと
」のレビュー

恋のにおい、かわいくてもっと

溝口ぐる

受け視点だけなのが惜しい

ネタバレ
2025年5月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ 色々な意味でゆるふわな攻めが受けを気に入って、受けを気遣いながらデートしたりして距離を縮めていくのがかわいかったです。性的にだらしない人間が一人の人間に一途になっていくのは健康に良い。
ただこの話は全て受け視点で、受けの感情に丁寧に焦点をあてているので受けの自覚や告白までのじれじれどきどき感は味わえるんですけど、その分攻めに対する信頼感が個人的にはいまひとつ足りなかったな……という感じ。
作中から得られる攻めの情報が断片的なんですよね。なぜこの中途半端な時期に親なしで一人だけ海外から戻ってきたのかとか。女の子に抱き着かれてるところを受けに見られて女の子放って受けを探しに来る展開とかも、そもそもあの教室って序盤で女の子連れ込んでたとこなので…………敢えて同じ教室にしたのは序盤(女の子とセッ…する)と終盤(女の子を放って教室を飛び出して受けを選ぶ)で攻めの意識の違いを表してたのかなぁ?とも思ったけど、なぜあの教室に二人で居たのかという前提が分かる情報がないからいまいち表現しきれていないんですよね(二人で、って書いたけどもしかしたら他の人も居たのかな、これも情報がない)(そんで二人だったとしたら雷に震える女の子を一人残してくるのはそれはそれで最低男なんだよな笑)。勿論現在の攻めを疑っているとかでは全くないのですが……吹き出しセリフじゃなくても手書き文字で一言添えるくらいで状況説明できそうなので、あったらモヤモヤせずにすんだなぁという設定・場面が多いかも。
最初のブーケ買いに来たのも電子特典があったから誰のためのものか分かったけど、私は電子特典のページがくるまでずっと考えちゃってたので電子書籍を購入していない人は一生分からずモヤモヤしちゃうかもだし……
においが気になった程度で初対面の相手にキスしてくる様な節操のない人間を読者に信用させたいなら、もう少し諸々の説明はあった方が良いかと思います。
修正は白抜き。本番なしのす股までですが、影トーンがないため白抜きされると何がどうなってるのかほんとに分からなくて涙。
個人的には、攻めが受けを大事にしたいからといきなり最後までしないところ(誘ったのも受けから)が高ポイントでした◎
いいねしたユーザ11人
レビューをシェアしよう!