親愛なるジーンへ
」のレビュー

親愛なるジーンへ

吾妻香夜

何度も何度も読み返した

ネタバレ
2025年5月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ トレヴァーはまさにアメリカ映画に出てくる人物造形で、よく描かれていてアッシェンバッハ(映画ベニスに死すの主人公)になれないとジーンから逃げをうつけど、貴方は僕の神さまだと言われてジーンを受け入れた。でも、アーミッシュであるジーンとの幸せな2年間に終わりがくる。教会で咽び泣くトレヴァーに、子どもの頃を思い出して泣くトレヴァーにジーンも心揺さぶられ一度は思い止まるが、世の中を知らないアーミッシュのジーンを手放す大人のトレヴァー。二人の過去と未来を甥のジーンが狂言回しとしてうまく機能して、映画を観てるようでした。
 郷愁をそそる『小さな恋のメロディ』もカーペンターズの歌も私が過ごした時代です。これにはもう作者の感性にシンパシーを持つ以外にはありません。そんな時代を過ごさなかった人にもお勧めの本です。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!