このレビューはネタバレを含みます▼
初読み作家様でしたが、とても叙情的で雰囲気のある作品を描かれる作家様で、数冊一気読みしちゃいました。どれもよかったです。こちらは年の差CPのお話しですが、攻めの晴臣のどろっとした感情と、受けの真咲の純粋な感情が対極的なようで表裏一体のようで…。晴臣の真咲に対する重くドロドロした気持ちや、真咲に過大評価されることへの重圧。そこから逃げたい気持ちで、だらしなく取り繕ってみたり、余裕のある大人を気取ってみたりする晴臣の感情に、大人って思う程成熟されてないよな…と自分に重ねてみたりして、いろいろ思いを巡らせました。大人はずるいので、若い真咲の思いに確固たる自信を持てないと、自ら飛び込んでいくことができないのですよぉ。あの小説…20代の頃に書いたものなら、今の真咲にもその頃の晴臣の感情は、少しは理解できるのではないでしょうか。愛する人に幸せになってほしい。否、普通に幸せになってほしい。普通とは?その想いは、あの小説を読んで、真咲には充分届いておりますよ。そう思えば「なれのはて」というより、燻る煙は昇華されたのかな…と。ストーリーも、無駄なところがなく、重すぎず軽すぎずで、感情豊かに読ませていただきました。また他の作品も読ませていただきます!