足りないふたり【ペーパー付】【電子限定ペーパー付】
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足りないふたり【ペーパー付】【電子限定ペーパー付】

kanipan

感情だったり、勇気だったり、色々足りない

ネタバレ
2025年6月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 汐海貴緒は転勤して2ヶ月、ウマの合わない同期の盤内理に女性上司への片思いを見抜かれます。新入社員の時に指導してくれた上司の萩尾さんが、汐海の心が折れそうな時に「仕事の代わりはいても、汐海くんの代わりはいない」と言ってくれてから、汐海は伝えることのない淡い気持ちをずっと抱いていました。萩尾さんはGMの矢谷さんと職場結婚してもうすぐ産休に入ってしまうので、ついじっと見つめていたのを盤内に指摘されたのです。「好き」という感情がよくわからないと言う盤内は、好きなんだったら告白しろとけしかけてきます。汐海は思い切って引き継ぎの時、遠回しに萩生さんに「好き」と伝えますが、絶対に相手に伝わらない中途半端さが悔しく惨めで涙が溢れてきます。盤内は、その涙を綺麗だと言い、さらに俺と付き合ってみてくれと言うのでした。「好き」を実感したい盤内と、失恋を吹っ切りたい汐海、ノンケの二人のお付き合いが始まります。好きな相手に好きと言わずに心にブレーキをかけてきた汐海の隠された本音を、情に左右されない盤内が有無を言わさず引き摺り出します。最後にはお互い唯一無二の相思相愛となるのですが、線の細い絵柄と強火なキャラにほんのりと物悲しさが漂っていて、作者さま独特の世界でした。
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