日出処の天子(完全版)
」のレビュー

日出処の天子(完全版)

山岸凉子

山岸涼子先生の傑作の一つ!

ネタバレ
2025年6月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ 懐かしい!何年か前に読んで、ここでも発見!
歴史を漫画で学んで育ちました。こんなの史実じゃないという人もいるかも。そうじゃない…人物の名前に姿のイメージがくっついて記憶しやすいのです。しかも私たちと同じように喜び悩み泣き苦しむ。読みながら歴史を調べたりして楽しい。
厩戸皇子、蘇我毛人(蝦夷)、蘇我馬子、蘇我入鹿、物部守屋…たくさん覚えました。
ていうかこれ、青年漫画?私の中でBLだったんですが。もしくは少女漫画。歴史的事実は変わらないけど、その裏事情は解釈次第。そこに創作の余地がある訳ですが。初見のときはビックリしました。しかし、先生の描かれる厩戸皇子は妖しく美しく。あり得るのでは…と。
ラストは少女漫画のようなハピエンではない。けどあれしかなかったのでは、と思います。ドラマチックな人生。強く欲した愛に限って手に入らない哀しみ。
ああ、斑鳩に行きたいなぁ。
歴史ロマンを感じながら嵐のような愛憎劇が見られます。朝廷の政治的思惑や半島・大陸との関係性、仏教が入ってくる時期の日本国内の揺らぎなど盛り沢山です。他作品に比べて高めかもしれませんが、その価値はある名作です。
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