gift
」のレビュー

gift

一ノ瀬ゆま

色んな感情でぐちゃぐちゃです!

ネタバレ
2025年7月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ やっと読みました!
これほど有名な作品ですが、そして一ノ瀬先生は「神様なんか~」で以前から大ファンなのですが、
とにかくダークな雰囲気でしんどそう…っていう先入観があって、
3巻まで&別売りの番外編なども全部購入済みだったのに 長い間読めずに本棚にありました。
ようやく読む覚悟が決まって読み始めたら、もう止められなくなって全冊一気読みしました。

やっぱりしんどかった。
勁の過去もしんどいけど、それがずっと現在まで尾を引いているのがもう可哀相過ぎて。
そして純粋で無垢なんだけど 感情も感覚も無い機械のようでもある、その真逆の性質が完全な二面性というわけじゃなくて共存していて。
勁の中の2人の小さな勁が、可愛くて痛々しくて、読んでいる間ずっとずっと、2人を一緒にぎゅー!!!!ってしてあげたかった。
そうじゃないんだよ、安心して良いんだよ、宥にもっと甘えていいんだよ、って分かって欲しくてずっとずっと泣きそうでした。
宥も勁もお互いにすごく献身的で、愛が深くて、だからこそ逃れられない人間関係や環境にすごく歯痒かった。
2人を誰にも見つからないところに隔離してしまいたくなった。

一ノ瀬先生の作品は、どこにもご都合主義が無くて、ものすごくシビアで現実的。
常にハッピーを切望する私のような読者の為に 簡単に助かるとか スムーズに悪が滅びるとか そういう無理をせず、着実に合理的に事が運ぶので、歯痒くても悔しくても、滅茶苦茶納得のいくストーリー展開だし、完全なる結末になってる。
誰も文句言える人いないんじゃないかな。

しんどいけど、すごかった。
話はボクシングジムが中心だし、なんか壮大なスケールとかいうわけじゃないのに、
人物の深さ、キャラ達の表情の豊かさから読み取れる心理描写の迫力、画力、それらの力で作品そのもののスケールがすごいことになってると思う。
そう、迫力が凄いんだ。
迫力と説得力でねじ伏せられる感覚です。
ぐうの音も出ません。
しんどいけどまた読み返したい。
ありがとうございます。勁と宥、そして小さい勁たちが大好きです。
いいねしたユーザ4人
レビューをシェアしよう!