恋のカタチは四角形
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恋のカタチは四角形

塩田キョウカ

心に恋して

ネタバレ
2025年7月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ 恋愛初心者のゲイとノンケ保育士の恋。星⭐︎3.6
大学生の西寺充也はゲイでの悩みを抱えていた。ある時、友達と初めてのクラブで酒を飲み潰れてしまう。そこへ声をかけてきたのは顔立ちの良い男。充也はホテルで一夜を過ごす。連絡先も名前も知らない相手との初体験。充也は恋に落ちていた。

その後、充也は姪っ子の保育園の送迎で、担当保育士の平山心(こころ)と出会う。恋した男との再会に運命を感じて喜ぶ充也に反して心の対応は渋かった。心はモテ男である。女性に困っていない、それに特定の相手をも探していなかった。当然、突き放す心に充也は保育園の送迎という機会を使って距離を詰めていく(ゲイであることの悩みや相手がノンケである葛藤はないのだろうかと突っ込みどころが多い充也)好きを抑えられないゆえに突き進んでいく。

そもそもこの作品では平山心のイケメンぶりが際立った。酔いつぶれた充也を介抱しながら悩みに共感して、「それなら俺と」とワンナイトの提案をする。終始リードしながら優しさをみせるあたりで、心の良さが伝わってくる。彼は人間関係に傷ついたハートを持っていたり、子供への気配りができる保育士だったり、自分の言葉で伝える努力をしたり、魅力の詰まったキャラだった(作者さまはどこか苦しみを抱えているキャラクターの造詣が綺麗だ)こんなキャラが嫉妬したり焦ったり悶えたりするとどうなるのかワクワクする。作者様の今後を楽しみにしたい。
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