このレビューはネタバレを含みます▼
良い作品でした。
他作の話で申し訳ないんですが、最近とある戦時下のエッセイを読みました。作家が戦前から戦後を書いた洒落たエッセイなんですが、お国のためにという悲壮感は全くなく、隠した酒を回し飲みして、たまの家族からし送りの物品をみんなで山分けし、玉音放送の放送直前に日本負けたらしいですよと上官らでげーっとし、戦争のほうびに貰ったお給金を京都で飲み明かす。明るさのある戦争体験記でしま。一方で仲間が死んだことも事実として書かれ、戦後の同窓会の様子なんかも本作と似てました。
戦争は確かに悲惨でしたでしょうが、悲壮なだけでなく、やはりそういう男の子たちらしさもあったんだろうなと思って読んでました。その想像が本作を読んでまたリアルになりました。だからこそ、辛くなります。
架空のお話ではありますが、どうか来世があるなら、みんなが笑って日々を辛くなく生きれますようにと願わずにいられません。