このレビューはネタバレを含みます▼
ヤンキー×おっとりホワホワ君の学園コメディ。9話で序盤、引きつけられていく。
早川上水高等学校、略して「ハジコー」は落ちこぼれが集まる不良学校。山本淳平はデカい体格を活かして喧嘩も度胸も規格外のヤンキー。1年F組は女子3人男子18人のクラス。淳平はガラの悪い同級生をねじ伏せてクラスを仕切ったが、そこに儚げで掴みどころのない狩野京介がいた。突如、淳平の下半身がときめいたことで始まるストーリー。
BLカテだが、現段階では青春群像劇にとどまっている。登場人物は多いがキャラ造形がしっかりしていてサクサク読める。ドタバタ要素多めだが淳平はただケンカが強い乱暴者ではない。リーダー資質もあり、女や弱い輩に拳は使わない。さりげない優しさと気配りもできるカッコいい奴。対する狩野は自分では何も決められない強い依存体質の気弱そうな少年。作中では幼馴染の安部奈々が極めて高い鉄壁セキュリティーを発動中。淳平とのタイマンに腹の座り具合が高校生じゃないと感嘆した
1話目から面白いと読み進めてキャラたちの背景や感情の機微に沼っている。淳平が狩野の天然アピールでヤりたいモードへ暴走するのが笑いのツボ。もともと淳平はノンケで元カノに捨てられても戸惑わなかった。しかし狩野には日々、もどかしさやためらいを抱えていて可愛い。狩野は一見、草食系の優しい少年に見える。でも十代らしい生気が感じられない、ここも闇深そうで怖い。これから淳平が友達として支えるのか、彼氏として助けるのかはまだ先の話になりそう。
ふと、タイトルロゴの違和感に視線が止まった。爽やかな青春BLに似つかわしくない雰囲気だ。どうやらソフトヤンキー漫画や学園コメディでは終わらない予感がする。