心を殺す方法
」のレビュー

心を殺す方法

カシオ

メリバってこういうのなのかぁ、なるほど。

ネタバレ
2025年8月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ ちるちるのBLコンシェルジュに薦められて読みました。
夕食作りながらの一気読み(笑)! 確かに皆さん仰る通り、胸糞なんですけど「で、どうなる?」ってなるヤツです。
いろいろ考えたんですけど、あのお母さん、あの人が一番罪が重いんじゃないかと。光の過去の傷を知っていながら、どうして自分のしあわせに真っ直ぐになれるのか、同じ母親としてわからない。確かに春樹は男だけど、春樹に任せっぱなし。春樹さんなら安心ね、からの⋯⋯。

光のしたことは決して許されることではない。けど、きちんと原因がある以上、本当の鬼 畜でもない。春樹に依存する理由がきちんとあっての行動です、が、途中、自分が被害者面するところはキャラブレかな? まぁ、壊れた人だからそれでいいのかもしれませんが。

春樹は、自分から光に優しくしてあげようと扉を開けてしまったんだから、ある意味仕方ないです。かわいそうに見えますが、いますよね、依存、執着されちゃう体質の人。
どこまで行っても光に甘い。
終盤、自分から光に連絡を取ったり、”壊れてるから”と言われればそこまでですが、そこまで行ったらこのままの関係を続けるのがお互いにとってのしあわせではないかと。なるほどこれが”メリバ”なのかと納得。

英さんは頑張ろうと努力しましたけど、結局、根本から春樹を理解してあげようとはしなくて、普通の人の範疇から出ない、残念な人という感想です。

今さらですが、過激な性描写が多いので、「BLすき!」と思っていても「闇すき!」じゃない限り、お気を付けて手に取ってください。
逆に闇、病みがすきならオススメです。素晴らしくダークな沼がお待ちしております。

誰かに心情を重ねるにはあまりにもぶっ壊れた作品ですので、取り扱いはご注意下さい。

ふたりはしあわせになるのかなぁ⋯⋯。光が自分のしたことを受け入れて春樹を真っ当に愛して、春樹が光をどんな形でも受け入れられるのであれば、そこにはしあわせがあるのかもしれません。大人になった光が、自分のしたことの罪に気づかなければ、の話ですが。
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