どうしても触れたくない
」のレビュー

どうしても触れたくない

ヨネダコウ

社会人カプの成長を目の当たりにできる神作

ネタバレ
2025年9月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ 男同士だということ、家族を作るということ、
そういうものに向き合うお話です
でも重たくなりすぎず、気持ちよくページをめくっていけるのはやはりヨネダコウ先生のセンスゆえなんだろうなと思います
とにかく攻めが素敵だし、受けが可愛くて。
受けが悩んていることは小さな問題ではないけれど、些末なもんだと笑ってしまえるような大きな愛が目の前にあるよ
と、ひたすら思いながら読み進めました

序盤はトントンと割とスムーズに2人の関係が近づくのですが、攻めの家族のことを知ったり転勤の話が来たことで、2人は喧嘩したまま離れます
このシーンがすっっっごく切ないの…

だってどう見ても【好き】って目してるのにさ、もうお互い目で大好きって言い合ってるのにさ、なのに傷つけ合うしかできないのつらい…

きっと受けのほうが攻めよりも先に好きになったから、まだ攻めが受けを好きになる前に深く考えずにポロッと発言した言葉も全部重く受け止めちゃってたんだろうな
ゲイ相手に家族に憧れてるって言うのはかなりデリケートだし…攻めもさ、いくらまだ恋愛感情がなかったからってさ、何度もエチしてるゲイの男の子相手に「家族に憧れてる」なんて言うなよなーと若干思った
だって「お前は論外」って聞こえちゃうよー…

そんなわけで、
受けはもちろん、攻めも最初の頃と比べると明らかに成長しました

もうとっくに成長期を終えている2人ですが、心はいつでも成長できるんだな
人は人の心に触れた時に成長するんだな
この二人を見ていて、そんなふうに思いました

とにかく本作も受けが可愛くて可愛くて、もう文句無しに神作品です
表情が乏しい受けの、攻めに向ける愛が必死で辿々しくも熱くてそれが可愛くて、ぎゅうぎゅうに抱きしめてぐちゃぐちゃにしてやりたかったです(攻めがしてくれました)

きちんと成長した2人なので、もうこの2人は大丈夫、とすごく安心して本を閉じることができました

ちなみに…
ナチュラルに電車内で通話するシーンがあり若干驚きました…が、攻めの手の中にある携帯ガラケー…時代か…まぁ…よし…よしとする…
こんなことでもないと時代を感じない、いつ読んでも新しく感じるほどに本当に素敵な作品ということです
なのでもちろん令和でも何度も読むし、その次の年号でも読む
その先については生きている気がしないのですが、データは来世に持ち込めますか?
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