ルビーレッドを噛み砕く
」のレビュー

ルビーレッドを噛み砕く

朔ヒロ

いやはやほんとに…

ネタバレ
2025年10月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ 朔先生…ほんとに凄い。尊敬する作家様のおひとりですが、ほんとに凄い(はい、2度言いました。何度でも言います)漫画って、ストーリーの筋道考えて、そのストーリーをいかに活かせるかを考えながら画を描いて、そこにコマ割りや表情、作画構成等々…もう考えてたら頭パニックになりそう…。でも、毎回毎回ほんとに綺麗にストーリーを活かして、その中に感動や共感、そして読者に何かしら心に残るものをプレゼントしてくれて…ほんとに凄い(あっ!また言っちゃった。だってほんとに凄い!って、毎回、感動&感心するんですもの)。他のレビューでも書かせていただいてるのですが、私、基本的にオメガバがあまり得意ではありません。ノンフィクションと分かってますが、記号で優劣がついたり、人としての尊厳が記号に表されて、そこに惑わされたり振り回されながらパートナーを選ぶ…というのが苦手でして…。同じ人間なのにね。どちらかが強い立場で、どちらかが弱い立場。それは物理的に、なのか、精神的に、なのか。それがもどかしい。その中間にいるベータ(アルファ寄り)の牧瀬の、純多が愛おしいしずっと傍にいたいけど番になれないことへの葛藤と、そんな牧瀬が唯一無二の存在で、牧瀬しか考えられない純多との気持ちのすれ違いや、拠り所をとても綺麗に落とし込んでいて、読後もどかしさはなくにっこり笑えました。結局、記号って後付けで、その前にひとりの人間として相手を思いやって尊重して、愛し合うことの大切さなんだな、と改めて思えた作品。フェロモンが結晶となって見えて、生きづらい純多の唯一の居場所は、何色にも属さない、でも反射されて何色にもなれる透明の牧瀬のところだけ。でもそれは、牧瀬の覚悟の無色透明。それに純多は救われた。そして本当の色を知るのは…純多だけ。2人の結晶が折り重なって混ざりあった時…それはとても温かでいて、とても綺麗なんでしょうね。ストーリーもさることながら、やはり朔先生の画が大好きで。体躯の描き分けも素晴らしいし、細身の体躯の描き方が抜群に上手い!綺麗!今回もいろんなことを巡らせて、ストーリーで楽しませてもらい、画でも魅せてもらいました!いつも素敵な作品をありがとうございます!
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