あの日のキスをもう一度【電子単行本版/限定特典まんが付き】
ナナトなな
このレビューはネタバレを含みます▼
高校の卒業から時を経て、再会した青春BL 167頁 星☆3.9
三保凛太郎(みほ)と弘也海斗(ひろや)は高校の同級生。卒業式の日に告白のないキスをしたことで気持ちがすれ違ってしまう。それが同窓会で再会。弘也は引っ越し先を探す事情から三保へ同居の提案をする。
人づきあいが苦手な三保は人生設計を立てて結婚をしたが計画通りにいかず離婚。弘也は人気者で交際相手に困ることなく結婚。しかし人生の岐路はやってくる。独身に戻った二人が10代の恋を見つめなおしていく。
作画も綺麗で読みやすい。二人は過去に立ち戻ろうとしている。高校生の三保は恋をしていた。だが弘也にとってのキスは恋の扉にノック程度だったかなと。扉の向こうの三保がそこをあければ恋は始まったかもしれない。けど扉はひらかなかった。失恋までいかない、おさまりの悪い経験。弘也は行き場のない気持ちを抱えてたたずんでいたはず。
三保は傷つけられる対象から遠ざかるか、逃げるかで生きてきた。そうすることがベストな解決策と思い込もうとしている。果たしてそうなのか。
弘也は三保に同居を申し込んだとき、恋の扉をたたいていると感じた。再会後の弘也のアプローチは強い。仮住まいなら、座り心地のよいソファは必要ない。食事作りも一緒の時間を過ごすため。それでも告白をしないのは傷つきたくないから。誰だって傷つけられることに慣れたりはしない。
激しい雨の夜、強く扉をたたく人物。ようやく恋の扉が動き出す。
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