このレビューはネタバレを含みます▼
確かにオメガバースの前身となるような設定で画期的な漫画だったろう。ただ、始まりが高校の先輩後輩のBLに魂現とか男性でも妊娠とか獣人ぽい話も絡んでちょっと設定盛りだくさんで凝ってて深そうだけど、ノリオの明るさとかコメディぽいノリもあって面白そう!という気持ちで読んでいたらついていけなくなるのはわかります。シロ先輩やテルヒコ先輩たちのカップリングまでが面白かった。カップリングはここまでで充分だった〜。
どんどん世界が広がり国を支配するとかそういう階級の人達の話になっていき、カタチをとれない存在がでてきたり、精神世界や概念の話にまでなっていくとSFで壮大なファンタジーすぎる…。頭痛くなるくらい複雑になり話に没頭しないと理解できないので逆にコメディ的なノリが邪魔になってくる。
親世代以上の複雑な人間関係、親、兄弟、血縁親戚関係が複雑すぎて誰がどう繋がっているのか読んでてわからなくなる。冒頭の相関図まで戻って確認して、なんなら他の巻まで遡って、を何度繰り返したことか。紙媒体の漫画の時代ならすぐ横に読んでいる巻以外を置いて確かめながら読むことができたけど、今は電子書籍が主流なのでいちいち確認するのがほんとーにめんどくさい。これも時代の変化だと思う。不評の11巻はBLでもくっつくまでは爛れた肉体 的関係が複数あっても想いが通じあったら一途なキャラが好まれるので、種の特性とはいってもいまだに複数の女を侍らせている絵は嫌悪感抱かさせるよなー。心と体は別なのだろうけど、わざわざバーンと描くこともないだろうに、とは思う。せめて世界を完結させて終わらせた作品であったなら時代は感じてもモヤモヤしたり不信感を抱くこともなかったかも。
今の時代でこのままの状態の作品はどう完結させるのか難しいだろうな。無理矢理感があったり、綻びがあったり、未完結のままかもと覚悟しておいた方がいいかも…。
ヨシュアだけはテルヒコ一筋でいてくれ。