このレビューはネタバレを含みます▼
幼馴染で親友の翔ちゃんと凛は子どもの頃からそれはもう仲良しで、翔ちゃんは凛に対して過保護で、凛は凛でことあるごとに「翔ちゃんかわいい、翔ちゃんだいすき」「おっきくなってもいっしょにねてくれる?」と言うくらい翔ちゃんべったりで二人とも天使のようにかわいかったんですが、大学に入って翔ちゃんには彼女ができ(と言ってもウブすぎて何もせずに終わった)凛は凛で翔ちゃんに当て付けみたいに女の子を取っ替え引っ替えしては、二人の間に溝ができておりました。ルームシェア中なのに。そんな状況下で凛が記憶喪失になって、積年の翔ちゃんへの想いを爆発させるんですが、その変貌振りがすごい!!凛は記憶喪失中なんだから自分が凛を止めないとと言う思いと、凛のあまりにも真っ直ぐで激しい愛情の間で翔ちゃんは葛藤するんですが、ハッキリ言って瞬殺でした。これはもう翔ちゃんじゃなくても誰でも堕ちます。まさに「劇物」です。
予想どおり凛はわりとすぐに記憶が戻っていて、翔ちゃんへの片思いを拗らせ過ぎて大好きな翔ちゃんにわざと嫌われるようなことをして傷つけたことを後悔し、翔ちゃんは翔ちゃんで自分の一部のように思っていた凛の気持ちをこれまでどれだけ見過ごしてきたのか初めて気づかされ、そこで親友として、また恋人として再出発すると言う流れで、この辺のお互いの心情がとても丁寧に描かれていました。
繰り返しますが、回想シーンの幼い二人が本当に天使のようなかわいさなんですよ。で、今もかわいいんですけど、豹変した凛が圧倒的な雄で、翔ちゃんを独り占めしたいという欲がすごい!一方、翔ちゃんは母性を感じさせるような包容力で凛に対する眼差しが慈しみに満ちていると言っていいくらい優しいんですが、後日談や番外編ではいつもと違う顔を見せて凛のことを翻弄しちゃうプチ小悪魔な一面もあります。作者さんがあとがきで仰っていますが、どちらか片方の執着ではなく、たいへんバランスの取れた二人で、唯一無二のカップルと言って間違いないです!!
この二人のイチャイチャならずっと見ていられますが、番外編では非日常なシチュエーションでの味変の要素もあり、重ね重ね美味しい思いをさせていただきました。旅行先で一夜明けて二人の目線の先にある海がそれはもうキラキラと美しく、二人の前途を祝しているようで印象的でした。二人のその後をまた描いてくださることを心から願っています。