VOID
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VOID

座裏屋蘭丸

誰にも触れさせなかった心の深淵と救済と…

ネタバレ
2025年12月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ 読む度にやるせない切なさや胸の奥がヒリつく感覚と、読後の安堵と多幸感が波紋の様に押し寄せてくる二段構えでやってきます!しかもこれが座裏屋蘭丸先生のパーフェクトな作画や演出によって、ますますリアルに訴えてくるから読み出したら最後までノンストップ!タイトルの意味も明かされるタイミングも上手すぎるし、全てにおいて非の打ち所がない作品です。
高貴な美術品を目にした時の様な表紙にうっかり手にしていいものかと一瞬躊躇しますが、足を踏み入れたら最後一緒にドボンと沼落ちしましょう!

よく分からなかった背景が過去と共に肉付けされていく構成なんで、マキはなんでこんな酷い事ばかり繰り返すヤ◯チンなんだ!とか表紙と冒頭から今の時代よりかなり前の時代設定なのかな、という想像を遥かに超えてくる展開にただただ圧倒されます!

マキの同僚のオーウェンの粋な計らいで、ヒューマノイドをプレゼントする所から始まり、そこからマキの永久凍土がゆっくりと溶かされていくんですが、複雑な想いと一緒に湧いて出てくるのは自分を利用していたレンへの復讐心なのか、本人も驚くほどの加虐性が溢れ出します。
純真無垢なアラタにあんなことやこんなことをしていい理由にはなりませんが、実の兄を巻き込んだ愛憎劇はレンの一方的な想いが火種となり、それがマキの心に消えない傷となってから7年。

このタイミングで過去との対峙が…レンとそっくりなアラタを前に影を重ねたり、逆に違いを見つけては安堵したり…とマキがとにかくレンに囚われまくっていて。
少しずつ好転していく関係を得て身代わりではなく、アラタの名前を読びながらの初めてのキスには心が震えました!!
そして避けては通れない第一の試練…兄ヨシアキとの対面。
自然と涙するアラタに不安と忘れたはずの事件とマキの傷の正体が明かされると、一気にマキへの気持ちに感情移入して本当に辛い!何でこんなにってほど悲しみのボディーブローが効いてきます。
呪文を唱えるかの様な刷り込み解除の儀式を終えて、再会するまでの半年間のカレンダーのバツの積み重ねはアラタへのマキの想いに見えて。選ばれない恐怖が払拭されたシーン!あのマキの顔と共に忘れられません!本来のマキの優しさから溢れる愛情を一身に受けるアラタの可愛い要望を叶えるepilogueはもう何も言えねー!に尽きます!
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