このレビューはネタバレを含みます▼
私はBL歴は2年弱ですけど、江戸物の時代小説は30年読み続けています。特に池波正太郎先生と宮部みゆき先生が大好きで、そんな大好きな江戸物と大好きなBLが合体したとなればイコール大好きに決まってる。案の定というか期待以上だった。大好きこれ大好き!!
何よ松庵先生、最初はとんでもない男だと思ったじゃないの。正解はとんでもなくいい男だった。この時代にはどうしてこうも人情味あふれる男が似合うかね。粋でいなせともまた違う、もっと人間くさくて、月並みだけど優しい・暖かいって言葉が一番ぴったりくる。雪に対しては好き過ぎるあまりいつも懸命で、それは雪に言わせると「先生はしつこい」。んもーにっこりしちゃう。
松庵と比べると陰が多いがその分色気たっぷりの雪。伏せたまつ毛の美しさよ!松庵と同じくらい雪ももう松庵を愛している。辰雄だった頃は本気で惚れていたであろう佐吉を斬るほどに。そしてその佐吉を助ける松庵。自分の命を狙っていた男を。過去雪と想い合っていた男を。佐吉も憎み切れない男だけど松庵には敵わんわ。
耳心地の良い江戸口調も相まって間延び感もなくサクサク読める。内容が軽く薄いって意味じゃないですよ。本当に上手に3冊分を使っていると思います。時にまだ麻酔の技術も未発達だったこの頃の手術の描写や、血飛沫や傷痕にヒーッとなることもあるんだけどこれが時代物のリアルですから。
最後は涙涙でした。私BL読むとよく"2人がおじいちゃんになるまで見ていたい"って思うんですけど、実際おじいさんになった絵を見てしまうと…切なさが込み上げてきちゃう勝手な読者です。もうすぐ来るであろうお別れが浮かんでしまうから。今更ですけど高橋先生の絵が素晴らし過ぎるんですよ。普段キラキラした今風の絵ばかり見てるけど、この味のある作画は時代とストーリーにドンピシャで最初から最後まで魅了されっぱなしでした。あーー本当に最高だったああと窓開けて(本日こちら雪、寒い)大声で叫びたい気持ちです。感動をありがとうございました!