「天稟
」のレビュー

天稟

たかせりえ

待望の1巻!

2026年3月15日
単話版からずっと追っており、丁度一年ほど前にそちら側でもレビューを書かせていただきました。
ですが、“あまりにも本格的な時代物・なのにしっかりBL”というこの作品を、未読の方々にぜひ知っていただきたく…。僭越ながら単行本側でもレビューを。
舞台は江戸時代、大名家から持ち去られた二振りの名刀。その行方をめぐり交錯する、実直な藩士と美しき介錯人の物語です。

私は“BLはファンタジー”という風に柔軟に考えることができない面倒な人間でして、どんな物語でも設定に矛盾や粗があると途端に冷めてしまうたちです。
ですがこの作品には、大袈裟じゃなくそういった粗が全く見当たらないんですよね。ここまで緻密に!と感嘆してしまうほど、とにかく素晴らしい。もう本当に語彙力がなくなって素晴らしいとしか言えなくなるのです。

長年時代物を描かれている作家様ということで、まず屋台骨となるストーリー構成は実に見事、文句の付けようがありません。時代劇に慣れ親しんでいる私は心が躍りました。
そして何より言いたいのはエグいほどの画力の高さ。単話版側でも同様のことを書いたので重複してしまうのですが、美麗の一言に尽きる。主役二人、とりわけ受けの和泉の妖艶さには鳥肌。特に表紙のような流し目が堪らない…。加えて少年時代の愛らしさも言葉になりません。

物語の展開は前述のように非常に本格的ですので、ともすれば時代物特有の言い回しや刀の部位の名称など、読みづらかったり難しく思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、美麗な作画をひたすら眺めるだけでも価値がある!と思えてしまうほど。

それともう一つ忘れてはいけない、主役二人以外にも男前のキャラたちがおりますよ。回想シーンでちらっと登場した和泉の兄・長門(やはり和泉によく似てる気がする)や、主役たちとは真反対のタイプの鎺龍之介も!
和泉の因縁の相手であるこの鎺とは、今後どのように相対することになるのか。目が離せない…。

だいぶこだわりが強い上ひねくれた自分でさえ、“これはすごい!”と素直に感じた作品。物語良し作画良し、気になった方はぜひお手に取ってみて下さい。心からオススメです。
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