身分差に終わった恋を、今さらですが。
」のレビュー

身分差に終わった恋を、今さらですが。

渡鍋ぽんず/STUDIO ZOON

愛されて育った人の強さ

ネタバレ
2026年6月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ よし。来た。今読みたかった漫画。政略結婚で隣国に嫁いだものの王子が女好きのクズ。そして本妻を目の敵にする王子の浮気相手の使用人たち。ナメられる王子妃オリヴィア。ついには刺されて川に落ち、小さな村に辿り着く。
こういう「在るべき場所へは帰らず、私はここで生きていく!」系の主人公、好き。
噂を聞いて深夜に訪問するオリヴィアの元護衛であり王国騎士団団長(深夜にこっそりなのがまた良い)。
そして私の胸を貫いたシーン。「私が彼女を見間違うはずがないだろう」「もう二度と離さない」で死んだ。
無表情でぶっきらぼう、真面目で堅物な男の心中よ。台詞枠小さいのも堅物っぽくて好き。
しかもさ、サラサラサラ〜と書いたメモが「何の住所?」「私の家だ」!??自分の家〜!!!(笑)
あとさ、2ページ目がチーズとパン。3ページ目で女が銀髪の男に刃物を突きつけてる。本編面白くてすっかり忘れてたけど何この、シーン。「どうすれば君が好む男になれる」何それ!(いや、ちょっと構図の角度気持ち悪かったけど)団長、銀髪だったんか…。いいじゃん。
オリヴィアも良いよね。王室で虐げられて10年。「ここで耐えるしかない…」って感じでもなく、刺されて「あのクソ女〜!」でも「ここにいればきっと迎えが…」でもない。
「わかってくれなくていいです。私を大事にしてくれる場所へ行きます」
なの。読んでて気持ちが良い。育った環境が良かったんだろうね。ご両親も実家の使用人たちも、そして団長も。周囲に愛されて育った人なんだと思う。普通なら10年も蔑ろにされたら「私が悪いのかな」「自分に価値がないのかな」なんて考え始めるんだけどオリヴィアは自尊心の土台が壊れない。
「私は愛される価値のある人間だ」
って感覚をしっかり実家で育てられてる。だからいじめられても「私が悪いのかな」にならない。もちろん寂しかったり苦しかったりはしたはず。でも根っこの自己肯定感は奪われなかった。むしろこの10年があったから「帰らない」を選べた。
団長も「君は愛される価値がある」って教えてくれるタイプじゃないのよ。「当然だろう」のタイプよ。多分。
ベストカップルなの。

⊂((・▽・))⊃長くなっちゃった。
いいねしたユーザ150人
無料会員登録でもっと見る
レビューをシェアしよう!