このレビューはネタバレを含みます▼
本好きの下剋上コミカライズ版第一部。
何年か前に単話版全話無料開放時に読んで、勢いのままウェブ小説を読み、それでも足りず書籍版を購入して何度も読み返すほど大ハマりした作品。
一度コミカライズ版は読んでしまっていますが、書き下ろし小説目当てに再読しました。
小説版では味わえない、コミカライズ版だからこそ楽しめる点が盛りだくさんでした。
第一部なのでストーリーももちろん大事でしたが、特にもの作りがクローズアップされています。
冬の手仕事や紙作りまでの試行錯誤の数々(パピルス、粘土板、木簡)、紙作りの過程など、小説で文字を追うだけでは分からないところが一目瞭然です。
更には家や下町、神殿の様子、ユルゲンシュミットの文字など、本好きの世界観を一層深めてくれる設定の数々を、わざわざ調べずともマンガを読みながら楽しめるお手軽さ。
そして、1巻で麗乃が読んでいる本が本好きの下剋上小説版1巻だったり、契約魔術の説明の際登場する領主のシルエットが○○(これから読む人のために伏せておきます)だったり、洗礼式でメダル登録してくれた神官があの人だと判明したり。
先々の展開を知っているとフフッとなるお楽しみがちょこちょこと隠れていたりして、コミカライズ版でこの作品に初めて出会った人だけでなく、小説版を読了した人にも十分楽しめる仕様となっています。
個人的には、3巻から毎巻付いている書き下ろし小説がオススメ。
コミカライズ版でしか読めませんからね! 貴重です。むしろこれ目的で読んでいると言っても過言ではありません。
全部の漢字にルビが振ってあるので少々読みづらいですが、マイン以外の視点でその時々の出来事が読めて楽しいです。
特に細工師ゼグなんて、おそらくここでしか見られません(笑)
正直絵が好みというわけではありません。特にキャラクターの横顔のバランスが気になります。
しかし、長編小説を分かりやすく嚙み砕いて描かれ、初見でも一瞬で世界観に浸れるような工夫が素晴らしかったと思います。
そして、マンガも小説も未完で放置される作品が溢れる中、この作家さんは第一部・第二部を見事に描き切ってくれました。
積み重ねてきた信頼と実績があります。
今後も応援していきたいと思います。応援の意味での★5!