どうせなら彼岸まで
」のレビュー

どうせなら彼岸まで

かきのたね

「どうせなら」の救い。最高。

ネタバレ
2026年8月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 彼岸の際から始まる物語。めちゃくちゃ良かったです。
美麗倒錯の沼『双子と先生』のスピンオフで、魔性の高校教師(古典)宇佐美を生んだともいえる、かつての恋人・酉市鶫(とりいちつぐみ)が本作の主人公。「生きづらい」という言葉は世に溢れているけれど、酉市の心はもう生き続けられない領域にある。その際で出会った、錦木穂(にしきぎほだか)。彼もまた、仄暗い日々のなかにいて、騒々しい京都弁が一層その影を濃くする。
でも、ネタバレしちゃうけど救われます。すごく良かった。これはこれで、なかなかリアルだとも思うのです(『双子…』の方がほぼ現実を振り切ったように思われる愛なので、なおのこと)。「どうせなら」からしか救われない魂もある。うん、今の世の中、どこかでこんな出来事、ありそう。そして、あって誰かが救われてほしい。
(ちなみに作品冒頭からいたしていた『双子…』とは異なり、本作本編ではそのシーンないです。でも、描き下ろしでは超最高。)
古典文学に裏打ちされているのも美しかった。酉市と錦木、この二人なりの幸せを願います。
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