2055【単行本版】
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2055【単行本版】

三月えみ

ハンカチを用意して

ネタバレ
2026年8月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「2055」だけ単話で読んでました。
そこから20年ほど経過した2070年代を舞台とした続編が「2072」「2075」「2076」になります。

AI搭載アンドロイドが普通に存在する未来のお話。
亡くなった大切な人の姿のアンドロイドを作成し記憶データを同期させて分身を作っていた2055年。
そして2070年代は人間が作ったAIからAIが作ったニューオーダーAIの時代になっている。
非合理的なことを「ノイズ」として除去し進化してきたニューオーダーAI。
人間らしさとはなにか心とはなにか愛とはなにか・・・そんな本質的なことを考えさせられます。
外見はそっくりでもアンドロイドのアオイでは満たされなかったヤナギ。外見は変わっても中身は変わらないトートと心を通わせたミカ。この二人のエピソードは裏表の関係だと思う。
人は何をもって個を識別し何をもって愛するのか。
AIの時代における人間らしさとはなにか人間である意味はなにか‥。
今作の「トート」は非常に愛すべきキャラクターだけど、現実世界において感情や意思を持ったAIは人間にとって歓迎すべき存在なのか脅威になるのだろうか。
今の発展の速度を考えるともしかすると2070年代よりも早くAIが意思を持つ時代が来そうな気もする。そんな未来を想像するとうっすら怖くもなりました。
でもAIとの共存が必須である以上はお互いに理解して尊重して愛のある未来であって欲しい。
作品のテーマはとても深いけれど、登場したカップルのストーリーはどれも魅力的で切なくて感動的。ウルウルしっぱなしでハンカチが手放せませんでした。
何度も読み返したくなる本当に素敵な作品です。
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