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今月(5月1日~5月31日)

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シーモア島
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投稿レビュー
  • 絶望に啼け

    紫能了

    葛藤を乗り越えて
    ネタバレ
    2022年10月19日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 絵が綺麗で、ストーリーもしっかりしていて心に残る作品です。ただ、事件の中で立場が2転3転するなど、面白いけれど複雑な部分もあったり、詐欺行為、裏切り、何よりも始めの心痛むシーンなど、ちょっと気持ちがついていけないと思う部分もあり、評価が分かれるところかもしれません。でも、二人の主人公が大きな葛藤を乗り越えて深く心を繋げていく様子がドラマチック&繊細に描かれているのがこの作品の魅力だなあと思います。ハラハラの後のホッとさせられるラストも良かったです。上下2巻ではなく5巻くらいでじっくり事件や心情が描かれていたらもっと魅力が伝わるのに、もったいないと思ってしまいました。
  • 5月とメルヒェン

    緒崎カホ

    人の心に潜む異世界のお話
    ネタバレ
    2022年5月24日
    このレビューはネタバレを含みます▼ お値下げになっていたので、星の数が伸びていないのは読んだ人が少ないからだろうと、思いきって読んでみました。とても良かったです。内容はメルヒェンで絵も綺麗、考えさせられる場面もたくさんありました。
    悩める少女達を、大学生の阿仁屋くんと心理学の眞山先生がそれぞれの深層心理に入って救い出すのですが、現実に心の世界に本当に入り込んでしまうところで、最初は「え?」と焦りましたが、これは「メルヒェン」なんですね。
    心ほど(悩みを抱える人の心はなおさら)広く深い世界はない、いや、心の世界こそ本物の異世界だ、と思うと、作品の中にグッと引きこまれました。
    心に広がる異世界も、漫画や小説で人気の異世界も、どこかの国の何かの童話と繋がっていてもおかしくないんですね。この作品が教えてくれるように、童話はもともと人間の根っこの部分から生まれた物だから。
    二人の主人公はどちらも魅力的。
    お人好しの阿仁屋君には、何かと大変だろうなと同情したり、共感したり。でも、人の苦しみに真っ直ぐ向き合う苦労をいとわないのは彼の強さだし、生き方なんだと、彼の幾つかの言葉や叫びから伝わってきて、心が震えました。彼は作者様の分身なのかもしれないし、私の理想像の一つかもしれない。
    そして少女達の心の世界で重要な役割を与えられて、阿仁屋くん自身が救われているんだと思えるのが良いです。
    さらに最後に眞山先生のお話にまで展開するなんて、読後感はとても満足。ただ、嵐くんの最後の方の扱いにはモヤッとはしますが、なんともメルヒェンなお話なので、主人公二人の思いに従うことにします。
    初めて読む作者様の作品でしたが、きっと何度も読み返すことでしょう。
  • 化け猫かたって候

    早寝電灯

    素敵
    2021年7月19日
    化け猫のいる世界って苦手かもと恐る恐る最初のページに惹かれて読み始めたら、そこは社畜の草太が救われるためには必然の、心が深呼吸できるような世界でした。現実と交錯する異世界に違和感はなく、草太が最初にそこに迷いこんだ時には、草太と一緒にこの上ない安堵と癒しと爽快感を感じました。後でそれは草太の台詞として表現されるし、BLらしい葛藤は丁寧に描かれるし、設定に不思議に無理はなく、満足感があり、癒されました。個人的には語りの言葉も台詞も心にとどめておきたいものばかりで作家の方の人間性が伝わり、他にはない突き抜けた作品だと、どうしてもレビューを書きたくなりました。これからも応援します。
  • ここはやさしい庭【SS付き電子限定版】

    エンゾウ

    心の描写に惹き付けられます
    ネタバレ
    2021年5月3日
    このレビューはネタバレを含みます▼ それぞれの事情で心を病んだ二人の若者、薫と暁良が偶然の出会いから互いの情を深めていく過程が丁寧に描かれていて惹き付けられます。薫が幻影から目覚めていく時、それを視線の先にある風景で表現してあるところでは何でもない日常の風景に息が止まりそうになりました。全体がまるで映画を見ているかのよう。BGMも無く尺も限られるのに満足感を味わえて何度も読み返したくなります。仕草と表情の描き方も上手い。この作品に惹かれ「さよなら、愛しのマイフレンド」で作者が大好きになりました。